ブラック企業を辞められない=「ストックホルム症候群」?

ストックホルム症候群」は心理学の専門用語ですが、これをテーマにした映画などがたくさんあるので一般的にもよく知られた言葉ですね。

このブログで、ブラック企業による洗脳について書いたことが何回かありましたが、もしかしてストックホルム症候群ブラック企業を辞められない状態は似ているのじゃないかと、ふと思いついてウィキペディアを調べてみました。

 

 

ウィキペディアによると…

ストックホルム症候群ストックホルムしょうこうぐん、Stockholm syndrome)は、精神医学用語の一つで、犯罪被害者が、犯人と一時的に時間や場所を共有することによって、過度の同情さらには好意等の特別な依存感情を抱くことをいう。”ストックホルム症候群 - Wikipedia

となっています。

ブラック企業では社長や上司に自分の考えや希望を言うことができません。また、長時間労働という面から見ても、会社に監禁されていると言ってよいと思います。

 

さらに、関連項目の「共依存」を見てみます。

共依存(きょういそん、きょういぞん)とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存する、その人間関係に囚われている状態を指す。一般的に「共依存」と言うと、病的な人間関係などを指すことが多い。共依存者は自己愛自尊心が低いため、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、共依存関係を形成し続けることが多いと言われる。”

”現在では、単にアルコール依存症患者との関係だけでなく、「ある人間関係に囚われ、逃れられない状態にある者」としての定義が受け入れられている。例えば、暴力を振るう夫とそれに耐える妻の関係、支配的なと愛情を受けたい子供の関係、相手からされることが目的となっている恋愛関係などがある。この観点から自立できない子供のパーソナリティ障害、恋愛における自己愛的な障害ストックホルム症候群にまで共依存の概念が検討され、使用されるようになっている。”共依存 - Wikipedia

 

以前、まずは自尊心を破壊すべし!ブラック企業の作り方まとめ という記事で、自尊心が低いと容易に洗脳されると書きました。また、ブラック企業から離れられない状態は、恋人に依存している状態と似ているのでは…ということも書きましたが、まさしくこの「共依存」の項目に書かれていることが言いたかったのだ!と思いました。

ブラック企業というのは一種の監禁状態です。まだ洗脳されていない状態においても、

「社長に逆らえばクビかもしれない」

と誰でも思いますから、ストックホルム症候群の項に書かれている、

”このような恐怖で支配された状況においては、犯人に対して反抗や嫌悪で対応するより、協力・信頼・好意で対応するほうが生存確率が高くなるため起こる心理的反応が原因と説明される。”

というのと似たような状況に置かれていると言って良いでしょう。

 

http://www.flickr.com/photos/30830597@N08/4669187163

photo by J. A. Alcaide

 

ストックホルム症候群そのものの状態を経験したことのある人はほとんどいないと思います。しかし、普段の生活においてもブラック企業の洗脳の手口と似たような状況があるようです。

先日、会社員の友人に聞いた話ですが、同僚のミスで取引先に迷惑がかかったことがあったそうです。 その取引先から怒りの電話がかかってきて、さんざん怒鳴られた挙げ句、最後は、

「君だけが悪いんじゃないんだ、これからもよろしく」

と言って、電話を切られました。

怒鳴られた同僚は、

「事情を分かってくれるから本当は良い人だ」

と言ったそうです。

こういう状況なら経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ブラック社長も、従業員をさんざん怒鳴ってから、少し褒めるという方法を用いて感覚を麻痺させます。この手口には引っかかりやすいので要注意です。

 

ウィキペディア共依存の対処策の項には、こういったことも書かれていました。

共依存の原因となる被共依存者への対応としては、一定の距離を置きながら援助される。被共依存者は、援助が少ないことに見捨てられた気持ちを抱く可能性もあるが、「自分の人生は自分で切り開いていくしかない」と気づかせることが、結果として被共依存者の回復に繋がる。被共依存者は、支援を受けることに感謝し、関係者を操作することなく、自分自身の置かれている境遇を受け入れることが、回復の第一歩である。”

ブラック企業に捕われた状況から抜け出すのにも、「自分の人生は自分で切り開いていくしかない」という気持ちは大切なように思われます。洗脳によって、自分にはこの会社しか無いと思い込まされているかもしれないからです。

私も、人生設計を会社に頼らなくても生きていけるようになればいいなと思います。

sponsored link

   

【零細ブラック企業に関するその他の記事】

 

sponsored link

人生が変わる2枚目の名刺 パラレルキャリアという生き方 柳内 啓司 (著)