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GIMPで日本の名画をGIFアニメにする!横内銀之助「上野雨の夜桜」編

GIMPで日本の名画をGIFアニメーションにするシリーズ第6段です。

今回の作品は、横内銀之助「上野  雨の夜桜」です。

先週末、上野に行ったときに満開だったので今頃はすっかり葉桜になっているかと思われます。旬を通り越した題材を扱うとは粋じゃないのも甚だしいですが、とても綺麗な木版画だったのでGIFアニメにしてみました。

横内銀之助「上野雨の夜桜」GIF

ぱっと見た感じでは非常に分かりにくいのですが、灯籠と、中央の男性が持っている提灯、そして後方の屋台の提灯の灯りを微妙に明滅させています。

 ちなみに先週末の上野はちょうど雨も降っていたことですし、こんな灯籠が上野公園のどこかにあるかもしれないから探してみようと思っていたのですが、日本人外国人入り乱れて大混雑だったため上野公園に突入する勇気が出ませんでした。

 

 

GIMPで灯りが明滅するGIFアニメを作る方法

作り方としては非常に単純で、

  1. 明るさを変化させたい部分を選択する
  2. ウィンドウ上部の「色」→「色相-彩度」ツールで「輝度」と「彩度」を調節して、明るくしたり暗くしたりする
  3. レイヤーを必要な枚数分コピーしながら徐々に変化をつけていく
  4. 「フィルター」→「アニメーション」→「GIF用最適化」もしくは「ブレンド」でアニメーションにする

というかんじです。

GIMP輝度・彩度調節

今回はレイヤーの枚数は11枚で、アニメーション化にはブレンドフィルターを使っています。

前回GIFアニメ軽量化ツールを紹介した際にも書きましたが、GIMPではアニメーションのディレイタイムを調節することができません。特にGIF用最適化フィルターではボタン一発でGIFアニメ化されるので、工夫の余地が一切ありません。

代わりにブレンドフィルターを使い、ダイアログ上で「中間生成フレーム」を増やすことで、アニメーションのスピードをゆっくり、かつ滑らかにできます。

今までのGIFアニメ作品も、ほぼこのブレンドフィルターを使って作成しています。

 

 

横内銀之助「上野雨の夜桜」について

横内銀之助「上野雨の夜桜」 元の絵

さて、今回の木版画も日本語での資料が全く見つかりませんでした。

よって出典は以下の英語のサイトです。

Yokouchi Ginnosuke (1870-1942) 横内銀之助 - - "Rain in Ueno - 上野雨の??" - Woodblock

絵の下部の題名が記された部分の拡大写真がこのサイトに掲載されていました。

崩し字で書かれているため読みにくく、サイトでは「上野雨の??」となっていますが、よくよく見てみると「上野雨の夜桜」ではないかと思われます。

「桜」は分かりやすかったのですが、「夜」については読めず、絵の状況からして「夜桜」ではないだろうかと当たりをつけ、木簡字典・電子くずし字字典 [共通検索システム]というサイトで検索してみました。

するとやはり、「夜」の崩し字に非常に形が近かったため、この絵の題名は「上野雨の夜桜」でほぼ間違いないだろうと思います。

(検索結果:連携検索【代表文字一覧画面】

 

しかし作者の横内銀之助氏については、インターネット上では文献が見つけられず、どういった方なのか全く分かりませんでした。

 

 

出典元のページには、現在の管理者のギャラリーサイトがリンクされていました。

大津市にお住まいの個人収集家の方のようです。こういった個人収集家の方々がいなければ、浮世絵や新版画の多くは現在まで残っていまかったかもしれないと考えると、芸術を高尚な教養として扱うだけではなく、スポーツ並みに裾野を広げていっても良いのではないかなと思います。

私は今までは美術や芸術というと、「教養としてゴッホピカソの展覧会ぐらい見ておかなきゃいけないいんだろうか」とか「高額な美術品なのに何が良いんだかさっぱり分からん……芸術を見る目無いな」とか思っていました。そんなある日新版画というジャンルにはハマり、GIFアニメとして加工するという、鑑賞方法としてはテキトーなことをして遊ぶようになりましたが、ついこの前まで「こんな頭悪そうな楽しみ方して、教養人から見たらとんでもないだろうな」と思っていました。

 

しかし、先月まで美術館に勤めていた美大出身の友人にこの話をすると

「芸術ってそんなものであるべきで、美術館でかしこまって見るものじゃない、もっと気軽に楽しめる方法を探したくて外国に勉強に行きたいから美術館を退職した」

と言うのです。

それを聞いて、好きなジャンルが偏ってようが構図がどうとか色使いがどうとか分からなかろうが好きなものは好きで良いのだ、ゴッホピカソぴんとこない人でも気の向くままに楽しんでいいものなのだ、と思えるようになりました。

 

スポーツは色んな競技を学校でやったりテレビで見たりする機会も多く、「球技は嫌いだけど陸上は好き」などの好みも人それぞれです。芸術分野においても、好きなジャンルが見つかるぐらい多種多様なものを見る機会が子供のうちからあれば、もっと気楽に楽しめる頭の柔らかい大人になっていたかもなぁという気がします。

全体的にそういった大人が増えれば、新版画も新しく刷られて自分なんかも気軽に一枚買って壁に貼ったりできるようになったり、果ては伝統工芸なんかも高尚感が薄れてもっと世の中に出回るようになって後継者不足に歯止めがかかったりして……と妄想している今日この頃です。

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