雨降り新版画gifアニメ!川瀬巴水「不忍池の雨」編
いよいよ東京も本格的に梅雨入りですね。
ここのところ梅雨という言葉からイメージされるような、しっとりとした梅雨がなかなかないように思いますが、今年はどうでしょうか。
そんな梅雨らしい梅雨を期待して、雨降りのgifアニメーションを作りました。
かつてはフリーソフトGIMPで作っておりましたが、私もここ数年で経済的にも進歩しまして現在では一丁前にAdobe製品を使っております。非常に楽です。しかしあの無理矢理感も懐かしい……とはいえあの頃は徹夜をものともせぬ体力があったのです。今は無理。
元の絵はこちら
http://free-artworks.gatag.net/2014/02/15/040000.html
この絵は川瀬巴水の「東京二十景」という連作の内の一枚として描かれたものです。
奥の女性たちが帯付きでないので一瞬寒い季節なのかと思いましたが、柳などの木々が青々としていますから、女性たちが着ているのは雨コートでしょうか?
正確には分かりませんが、初夏から夏なのではないかという感じがしてこの絵を選びました。
ちなみに「東京二十景」は江戸東京博物館の収蔵品検索で見ることができます。
ここに掲載されている「不忍池の雨」は、かなり暗い色をしています。
版元である渡邊木版美術画舗のサイトによると、
色調の上で二種となっている
http://www.hangasw.com/shop/hasui/index9.html
とのことです。
「不忍池の雨」に描かれた建物の正体
さて、この絵に描かれている赤い建物ですが、一体何でしょうか?
川瀬巴水と並んで有名な新版画家、吉田博も「東京拾二題 不忍池」で同じ建物を描いています。
江戸東京博物館:収蔵品検索 ←こちらから閲覧できます。
不忍池にある建物として、まず最初に弁天堂が思い浮かびました。
弁天堂は昭和20年に東京大空襲で焼失、昭和33年に建て直されていて、 川瀬巴水が「不忍池の雨」を制作したのは昭和4年ですから、もしかして昔はこんなだったのか?と思いましたが、実は今は無き「天龍門」という建物でした。
大正3年に建てられ、旧弁天堂と共に東京大空襲で焼失したそうです。
下記のサイトに立面図や写真と共に詳しく書かれています。
なんとなく千と千尋の神隠しに出てきそうな雰囲気ですね。
どうでもいいですけど「ジブリに出てきそう」って強力な言葉ですよね…
川瀬巴水と同じ題材を描いた吉田博ですが、2017年7月8日から8月27日まで展覧会が開催されます。場所は新宿にある東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館です。
水彩画や油彩画も展示されるそうで、上記のサイトで数点画像が見れますが、とんでもなく美しい……
期間中ワークショップなども開催されるようです。こちらは事前の申し込みが必要なので、興味のある方は上記の美術館HPをチェックされると良いかと思います!
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