むかしむかしあるところに、ブラック企業にひっかかったひとがいました…
むかしむかしあるところに、むけいかくなひとがいました。
むけいかくなひとは、小さな会社ではたらいていました。
正社員として雇われたはずでしたが、いつの間にか、契約社員のような扱いになっていて、
もらえるはずのお給料も、ちょっと足りません。
こようけいやくしょ というのを一度も見たことがないのでした。
さて、今日も朝、会社に着くと、しゃちょうがなかなか現れません。
しごとは、しゃちょうが来ないとその日の発注分が分からないので、どうしようもないのです。
一時間待ってもしゃちょうが来ないので、社員たちはしかたなく、
しごとのようなことをして、しごとをしているふりをします。
ようやくお昼ごろになって、しゃちょうがやってきました。
そしていつものように、発注が少ないのを見て、八つ当たりを始めます。
社員はみな戦々恐々です。
そうこうするうちに、あっという間にお昼になりました。
みんなでお昼を食べていると、しゃちょうの自慢話が始まります。
しゃちょうはお坊ちゃんなので、自慢話は一日中しゃべりつづけられるぐらい、たくさんあるのです。
みんなは神妙にして聞いていました。
すると、とつぜん
「なんでお前ら黙って聞いてんだよムカつくんだよ!!!!!」
としゃちょうがどなり始めました。
しゃちょうはその後一時間どなりつづけたので、今日のしごとをする時間が足りなくなってしまいました。
社員はみな、汗をかいて必死でしごとをさばきます。
しゃちょうも「まーけてぃんぐ」に忙しいようです。
むけいかくなひとが後ろを通りかかってみると、
なぜかフェイスブックでチャットをしていますが、
半分寝ているようでもあります。
それもそのはず、昨夜はみんなで飲み会だったのです…
…つづく。
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