ブラック企業の洗脳を自覚した「口癖」事件…の巻。

以前の記事で、ブラック企業を辞めるきっかけになったことのひとつが、眉間にしわができたことだと書きました。結局それによって、

「このままでいいんだろうか?」

と疑問が沸いたことで、自分の状態を考え直すきっかけになったのですが、きっかけは他にもありました。

 

社長の口癖がうつったこと。

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photo by Peter Nijenhuis

社長がしゃべる事といったら、主に社員への説教と他人の批判でした。

説教のときには、

「そういうのおかしいと思わないの?」

としょっちゅう言っていました。

 

この口癖がうつったのですが、それに気付いたのは、運良く話し相手がいたからです。

仕事が終わるのは深夜で、休みもありませんから家族や友達と話す機会がめっきり減っていました。ただ、付き合っている人がいて、終電が無いときなど、よく家まで送ってもらっていました。ある日、深夜まで社長の説教を聞いた後、帰宅する際にイライラしていた私は喧嘩腰になり、

「そういうのおかしいと思わないの?」

と言いました。それを自分で聞いて、社長と同じことを言っていることにびっくりし、自己嫌悪に陥りました。

 

社長は一日に何度も大声でそうやって怒鳴っていたので、その頃には

「おかしいと思わないの?」

を聞くと、

「またかよ…」

と吐き気がするようになっていました。しかし、それは主に自分に向けられたものではなかったので、我慢していれば済むことだと思っていたのですが、思わぬところに影響が出た為、

「これではいけない…」

と焦りを感じました。ついでに恋人にも申し訳ないと思い、会社を辞めるべき、と思い始めました。

 

それまで、私も洗脳状態にあったのでしょうが、どんなに社長が酷いことをしたり言ったりしても、社長のことを悪い人だと思わないようにしていました。たまに、

「それはないな…」

と思うことはありましたが、深く考えないようにしていました。もちろん他人に社長の悪口を言ったことなど無く、逆にどんなに素晴らしい経歴の持ち主かを話して聞かせていました。

しかし、社長の口癖が自分の口から出て始めて、本当はその言葉にうんざりしていたことに気付いたのです。そうしてやっと、社長を冷静に見ることができ、このまま社長の影響を受けていたら自分までとんでもない人間になってしまう、と恐くなりました。

 

自分の変化を自覚し、その上で、自分の人生を大切にしようという気持ちが湧いたとき、ブラック企業の洗脳から逃げ出すことができるのかもしれません。

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