GIMPで日本の名画をGIFアニメーションにする!上村松園「粧」編
GIMPで日本の名画をGIFアニメーションにする!シリーズ第7段は、上村松園の「粧」です。
2回まばたきしたあと、首を傾けてもういちどぱちくりさせています。
上村松園と日本髪
この「粧」という絵については、今までの新版画などとは違って資料がたくさんあります。
上村松園という方は、京都出身の女性画家で、女性として初の文化勲章も受賞しておられます。
以前、名古屋市美術館で「上村松園展」が開催されたときの特集記事が中日新聞のサイトにありました。「粧」についても詳しく解説されています。この絵の化粧や髪型は京都独特のものだったそうです。
GIFアニメを作っている途中で、女性の後ろに立てかけられているのも鏡ではないかと思いました。
この絵の女性は持っている手鏡で化粧をチェックしているだけではなくて、もう一枚の鏡を使って頭の後ろを映して髪型もチェックしているようにも見えます。
上記の中日新聞のコラムには、
少女時代に見た、まだ江戸時代の面影が残っていた京都の町並み・人々のくらしを愛おしく思っていた松園さん。「世の中が急激に移り変わってゆくのを眺めるとき、わたくしには、余計にあの頃の風俗をのちのちの人のために描き残したい念願が強まるのである」と、なかば使命のような気持ちを持って、京都の女性たちを描いていたことが察せられます。
と書かれていました。
たしかに今では日本髪を結うこともないので、いづれ消えてゆくしかない文化なのかなと思っていたところ、こんなお店を発見しました。
こちらは単なる着物レンタルショップではなくて、ご主人が髪結いの修行をされた方ということで、ブログを拝見しますと、自髪で日本髪を結ってアンティークの着物で結婚式を挙げられた方の写真などが載っています。日本髪ってこんなにきれいだったんだ!とびっくりするので、ぜみ見てみてください。
日本髪に対して抱いていた「昔のひとしか似合わないでしょ」というイメージが変わりました。
前回のGIFアニメに使った絵について調べているときも思ったのですが、古いものを残して守っておられる方々にすごく憧れます。
さて、上村松園についてですが、2015年4月18日から6月21日まで広尾の山種美術館というところで展覧会が開かれるようです。
次回の展覧会「【特別展】上村松園 生誕140年記念 松園と華麗なる女性画家たち」 - 山種美術館
GIMPでのGIFアニメのおおまかな作り方
- 原画のアニメーションさせたい部分を選択ツールで選択し、切り抜く。
- 切り抜いた部分は白く穴の空いた状態になっているので、そこを「スタンプで描画」ツールを使って埋める。
- 原画からアニメーションさせたい部分をコピーして、新しいレイヤーに貼付ける。
- 変形ツールですこしずつ変形させる。
今回は主に「遠近法」ツールを使いました。 - 3、4を必要な枚数だけ繰り返す。
- 新しいウィンドウを開き、1、2で作った動かない部分だけを残したレイヤーをコピー&ペーストする。
- アニメーション部分のレイヤーを6にコピー&ペーストする。
- 6、7をレイヤーごとに繰り返す。
- 「フィルター」→「アニメーション」→「ブレンド」でアニメーションさせる。
今回は先に頭の動きをつけてから、それに付随するように鏡の中の顔を動かしました。
頭の形を不自然にならないように変形させていくのが難しかったです。また、なかなか自然な動きにならないので、ブレンドフィルターをかけてから、フレームを1枚ずつチェックして不要なものを削るなどして対応しました。
元の絵
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